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病気にかかってしまうまでに予防接種を ~もう一度同時接種を考えてみましょう~
予防接種はその病気にかかってしまったら意味を失ってしまいます。「病気にかかってしまうまでに、なるべく早く所定の回数をうち終わる」ということを前提に考えてみましょう。
小さい子がかかった時に危険な病気は特にそうです。たとえば四種混合に含まれる「百日咳」は6ヵ月以下の子がかかった際に重症化しやすい病気。ヒブ(インフルエンザ桿菌)や肺炎球菌の髄膜炎も特に小さい子にとって恐ろしい病気です。早期診断がとても難しいうえ、抗生物質が効かないものも多いので亡くなったり、救命できても重い脳障害がのこる子がいます。なんとしてもかかること自体を防ぎたい重い病気ですが、かかった人の半数が1歳前といわれています。だからこそ「なるべく早くうち終わる」ことを考えるべきなのです。
「早く抵抗力(=免疫)を得るために同時接種」という考え方
日本もようやく接種できるワクチンが増えてきました。それは自体は良いことですが、外国とくらべ混合ワクチンが少ないので、ばらばらにすると頻繁な通院が必要になったり接種完了(=免疫の獲得)が遅くなったりします。途中でひとつ病気にかかっても予定が大きく遅れてしまいます。一方で、ワクチンを接種すること自体をやめない限り、同時接種でもバラバラに接種しても副反応や不慮のアクシデントは起こりえます。すでに日本も含め世界の何億ものこどもたちが同時接種を受けてきていることから、もはや同時接種は世界の常識であり普通の医療行為といえます。
もう一度同時接種の意義を考えていただくきっかけになれば、と思います。病気にかかってからの治療だけでなく「重い病気からこどもたちをワクチンで守ることができる」ことをお伝えするのも私のような小児科専門医の大切な役目だと思っています。